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書簡 その200 おねがい

仕事で下谷稲荷町のスタジオに行く。上野駅から3分。下谷稲荷のすぐ近く。

この下谷稲荷だが元々は上野の山にあったのだが寛永4年、寛永寺の建立にあたり、上野山下に移され、その後この地に替地造営された。

昔から(西暦730年創建と伝えられる。)「正一位下谷稲荷社」と称されていたころからこの町を稲荷町と云うようになった由緒ある神社。

また寛政10年(1798年)には江戸で初めて寄席が行われた由縁の地で境内には「寄席発祥の地」の石碑が建っている。

明治5年に神社名を「下谷神社」と改めたと記されている。

子どもの頃、母に連れられてお参りに来た頃はこの辺り一帯は「しもたや」で大きな鳥居と社殿が鎮座ましましていたものだが

今ではビルに囲まれ窮屈そうな佇まいである。

この神社に限らず子どもの頃、遊び場だった虎ノ門の金毘羅様や先日訪れた神田明神や湯島天神など都会の神社には

昔の印象と違ってとても狭く感じるのは周りの景色の為ばかりだろうか不思議な気ががした。

収録を終えて表に出るとバッタリと新派の勝見史郎と会う。この勝見史郎さん、知る人ぞ知る新派の名脇役である。

初代水谷八重子に師事。女形から男役、ジジイ、ババアから丁稚まで何でも熟す貴重な存在。「忙しい」かと聞くと「ひまひま」という答え。

こんな人が暇とは、もったいない。お茶を飲むことにするが、話はやっぱり芝居の話。

新国劇新派の名優伝、同世代の人とは気兼ねなく話が合う。アッという間に二時間。久しぶりに楽しいひと時だった。

人間、喋るとストレス解消になるというが本当だ。このところツキがないと思っていたが、運が変るといいなぁ。

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