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■書簡 その86 鏡開き

子どもの頃、お下がりのおかがみ(鏡餅)を切ろうとして叱られた事がありました。

包丁が傷むからかと思ったら「おかがみは切るものじゃない。木槌で割る物」だと教わりました。

一年の無事を祈ってお供えした鏡餅をお下がりとしていただく儀式で、餅を食べた者には力が授けられる。

そして武家の屋敷では、男は武具に(具足餅)、女は鏡台に(鏡餅)に供えた餅を正月二十日に割って食べたのが始まりで、

武家は「切る」という言葉を嫌い、刃物を使わず木槌で割ったそうです。

それが縁起を担ぐ町人の間で「無病息災」と「延命」を祈願して食べる習慣になった頃から、「割る」では縁起が悪いので、運を開くという意味で

「鏡開き」になったと聞きました。さらに、月こそ違え、三代将軍家光が二十日に亡くなったことから十一日が鏡開きになったと言うわけです。

しかし現在のように、裸の餅ではなくポリエチレン等に包まれた柔らかい餅は割れませんよね。切るわけにもいかないし・・・・・。

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