top of page

書簡 その188 桑名を訪ねて

先日、桑名に行ったんです。「その手は桑名の焼きはまぐり」。。。あの桑名です。

桑名城址の九華公園から七里の渡しへ。此処から海路七里を渡って、熱田の宮の渡しへ。

東海道を上り下りした旅人達とは別に、伊勢参りの人々でも賑った宿場町。

城下町であり港のある交通の要として、当時、最も栄えたこの街も、往時の面影は少なく、ただ静かな・・・。

旧市街を散策して目立ったのは、当然のことながら、佃煮屋の多いこと。それもほとんどが「貝新」という屋号。

寺町通り商店街を歩いていて、たまたま入った一軒で面白い物を見つけて、面白い話を聞いた。

面白い物とは、ウインドウの上に置かれていたノラクロの焼き物。

女性の握り拳ほどの大きさで、素朴そのもの。立ったり座ったり、色々で10数体(写真はガラスに反射して失敗)。

これだけ集めるのは大変な事だったろう。あんまり楽しいので話を聞くと、おかみさんが出てきて、自分の趣味だとおっしゃる。

そして、褒めてほしいのは、こっちだと指差す方に、タヌキがハマグリを担いだ焼き物が鎮座している。これも珍しい。

話が弾んで屋号の話になった。貝新を名乗る店は5軒。十代ほど以前、五人兄弟がそれぞれ分家。

男子四人、娘一人が独立して独自の味を競ってきたそうだ。全国に支店を出している有名店が実は五つの別々の店だったとは。

地元では常識の様だが、初めて聞いてビックリした。因みに「家は十代目です」とおっしゃる。

「あさり」と「はまぐり」のしぐれ煮を購入したが、どちらも甘みがほとんどなく、僕の好みにピッタリ。

これも何かの縁。食べ比べる事なく、これからはこの店に決めた。

閲覧数:4回0件のコメント

最新記事

すべて表示

書簡 その200 おねがい

仕事で下谷稲荷町のスタジオに行く。上野駅から3分。下谷稲荷のすぐ近く。 この下谷稲荷だが元々は上野の山にあったのだが寛永4年、寛永寺の建立にあたり、上野山下に移され、その後この地に替地造営された。 昔から(西暦730年創建と伝えられる。)「正一位下谷稲荷社」と称されていたこ...

書簡 その199 特別展・江戸城

両国の江戸東京博物館に特別展江戸城を観に行く。10時半頃に入場したのだが、大変な人出。 江戸の話が好きな僕にとっては江戸時代に興味を持つ人が多いことは嬉しいかぎりだが、観客に若い人がほとんどいない。 特に今日は平日。時間に余裕があるのは年配者だろうが、それにしても養老院の団...

書簡 その198 鰆

サワラの美味しい季節がやってきた。 関東では、いや我が家では塩焼き。関西では西京漬けといって味噌漬けにすることが多い。 味噌に酒粕を混ぜたり、各家庭により工夫された味がある。 もっとも関東でも醤油に出汁を加えたタレに漬けて各々の味に仕立てて照焼にしたりする。...

Comments


bottom of page