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■書簡 その19 トチリ蕎麦

「トチル」。役者が舞台でセリフを間違えたり、出るキッカケを外したりすることを言う。 語源は諸説あるが、あわてる事を「とちめく」といった古語から来ているらしい。 今では一般でも使われているので、今更説明する事もないが・・・ この、トチッタ役者が「ご迷惑を掛けて申し訳ありません」という意味で、その場の出演者に配ったのが、なぜか蕎麦。 これは、慌てる事を「トチメン棒を振る」(橡の実を粉にして麺を打つ時、すぐに硬くなるので、早く延ばさなければならない・・・ すなわち、あわてる・・)という語源の一つから蕎麦(麺)になったようだ。 そして僕の若い頃、蕎麦は相手の腹具合もある、ということでコーヒーになり、コーヒーは冷めるとまずいし、いつでも飲めるようにと コーヒー券に変わっていった。良き時代の話である。 各劇団に座員が100人以上居て、それぞれが1年12ヶ月間、芝居を興行していた時代の事。 本人が気づかない間違いはキツイお叱りを受けるが、当人が自覚している失敗には、あまり目鯨を立てない。 それでも、このシャレの様な事で済ませてくれるトチリ蕎麦も、人数が多い時などは大変である。普通、研究生は大目に見てくれるのだが、 研究生も古くなると、早く一人前の仲間入りがしたくて、無理をしてでも配りたくなる。 僕にも覚えがあるが、30人くらいに配って、飯抜きで過ごしたことがあった。そんな大見栄も役者ならでは。 今では楽しい思い出の一つである。(反省も忘れていません) 現代では、大トチリは、即 クビでしょう。

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